2017年7月1日土曜日

想い

電車がやってくるのを見るたびに
思い描いてしまう悪い癖
今ここから飛び降りたなら
終えることができるんだと思うと
あまりの儚さに怖じ気づいて
また今日も死ねずに電車に乗り込む

そうなんです僕は
死ねないから生きてるだけであって
明日への希望も明日への欲望もありはしないのです
だからせめて僕に生きる意味を与えて欲しいと願うのです
たとえば、"君"とか…?


車が視界横切ってくのを見るたびに
思い描いてしまう悪い癖
今ここで道に飛び出したなら
すべて水泡に帰すんだと思うと
"君との日々までもか…"と躊躇って
また今日も死ねずに青信号をわたる

そうなんです君は
僕をこの世に繋ぎとめる錨であって
君なしでは明日を生きてゆくこともできないのです
だから君はいつも僕の傍にいて救ってくれたらと願うのです
お願い、気付いて…


でも井戸育ちの僕にはこの感情など未知数で
取り扱い方も伝え方も分からないのです
だから心の柵も見ないふりでひたすら君に同調しているのです
とりあえず不器用な言葉でしたためてみた恋文は
劣等感に満ちていて、ただ好きだという事実を伝えるだけのものだった

君に気がないことを確かめたかったんだ
「これからもこれまで通りに接して」と添えて






丁重にお断りされた その言葉すら
言葉選びからして好みだったんだ
行き場を失った気持ちは困り果てて
これまで通りに接することが出来なくなったのは
依頼した立場のはずの僕の方だった


君がやってくるのを見るたびに
想い描いてしまう悪い癖
今ここから飛び降りたなら
君は僕を想ってくれるだろうと思うが
あまりの馬鹿馬鹿しさに呆れ果てて
また今日も死ねずに教室の隅 独りの昼食









傷は時間が癒してくれた
僕の心にもある程度諦めがついた
あの日かけてしまった迷惑の分の、若しくはそれ以上の恩返しをしよう
僕の独占欲は排除してただ純粋に君の幸せを祈ろう


君との日々はまた今日も続いてくんだ




太陽が登ってくるのを見るたびに
思い描いてしまう悪い癖
今ここから手を伸ばしたなら
掴むことができるんじゃないかと思うと
じゃあ少しばかり頑張ってみようかと
まだ今日は死ねまいと明日へ歩いていく

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