予報外れの青空に鳴り響く蝉時雨
陰り陽の午後6時に鳴り響くインターホン
慣れない浴衣姿に鳴り響くこの心臓
生憎にもこんなタイミングで鳴り響く"あの子"からの電話
ごめんね、とつぶやいて落としたスマホの電源
落ちていく陽と重なって
このまま暗闇に染まっていきそうで
震えた眼を必死に隠して絞り出した
「そろそろだね」
浮かんでは咲き誇る花火
綺麗だねって微笑みあったこの一時でさえ
浮かぶのは推し測った
"あの子"の今の気持ちばかりで、申し訳なさで胸が満たされていた
またしても予報外れの青空に鳴り響く風鈴の音
陰り陽の午後6時に鳴り響くコンビニの入店メロディ
買ってくれるもののセンスの良さに鳴り響くこの心臓
開会を前にしてビニールシートの上で鳴り響くラムネの開栓
ずっと悩んだところで結論は「どっちも」で
でもやっぱりそれは許されぬようで
パピコはふたりで分けあうようになってて
愛おしいこの違法な夢夜が醒まされた
「そろそろだね」
打ち上がっては消えていく花火
綺麗だねって微笑みあったこの一時でさえ
花火のような気がして
怯えた私の瞳から零れた涙を拭ったハンカチはあの子のだった
打ち上がっては消えていく花火
白く煙が夜空に留まって大三角を
ぼやけさせていて
ずっとこのまま、はっきりしないままだったらいいのになって上を向いて哭いた
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