2018年2月1日木曜日

囚われの詩人

辛くなるだけだと分かってても僕は答えに縋って書き連ねてしまう
止めどなく溢れる想いを塞き止めて希望を捨て去ることが出来るほど
強ければこんなに悩むこともなければこの指輪を渡し永久と微笑んだのでしょう
覚悟に補助具を嵌めた僕の醜さはとうに分かっていたはずなのに

今やゴミ同然のそれにすら意味を求めて

紡いだ言葉のマフラーをどうも君は暖かく感じなかったようで
ほつれた糸が引っ掛かった街路樹の枝を見ては背伸びして
赤く染まったそれを指に結んで引っ張っては空を切るこれを現実と呼び
受け止められる日まで、除ききれる日までこんな下らないことを続けるのでしょう

集めた糸屑で新しい言葉を紡ぐのでしょう



ゴミが増えるだけだと分かってても僕は、捨てる悲しみが積み上がると分かっても僕は、
簡単には片付けたくないと追い込んでは救いを請うて絶望して
募りゆく想いから目を背けるように自分を騙すことは出来ないのだから
とはいえ「君の為」と僕の行動を名付けることも出来ないのだから

もはや伝えることもないメッセージを綴ってゆく

すべてが盗み出された空っぽの部屋はすぐに丸めた紙で満たされて
引き金となった言葉たちを顧みては瞳から溢れた唾に呆れて
飲み込んでは荒れた胃痛に悶え、それでもまだ筆を握っているのは
受け止められずに、うまく事態を飲み込めずに、ただ漫然と日々を過ごしているからでしょう

いつでも何度も言葉を塗り替えるのでしょう

0 件のコメント:

コメントを投稿