2017年7月29日土曜日

LOVE SCARANE TRIANGLE on the FIREWORK FESTIVAL

予報外れの青空に鳴り響く蝉時雨
陰り陽の午後6時に鳴り響くインターホン
慣れない浴衣姿に鳴り響くこの心臓
生憎にもこんなタイミングで鳴り響く"あの子"からの電話

ごめんね、とつぶやいて落としたスマホの電源
落ちていく陽と重なって
このまま暗闇に染まっていきそうで
震えた眼を必死に隠して絞り出した
「そろそろだね」

浮かんでは咲き誇る花火
綺麗だねって微笑みあったこの一時でさえ
浮かぶのは推し測った
"あの子"の今の気持ちばかりで、申し訳なさで胸が満たされていた


またしても予報外れの青空に鳴り響く風鈴の音
陰り陽の午後6時に鳴り響くコンビニの入店メロディ
買ってくれるもののセンスの良さに鳴り響くこの心臓
開会を前にしてビニールシートの上で鳴り響くラムネの開栓

ずっと悩んだところで結論は「どっちも」で
でもやっぱりそれは許されぬようで
パピコはふたりで分けあうようになってて
愛おしいこの違法な夢夜が醒まされた
「そろそろだね」

打ち上がっては消えていく花火
綺麗だねって微笑みあったこの一時でさえ
花火のような気がして
怯えた私の瞳から零れた涙を拭ったハンカチはあの子のだった




打ち上がっては消えていく花火
白く煙が夜空に留まって大三角を
ぼやけさせていて
ずっとこのまま、はっきりしないままだったらいいのになって上を向いて哭いた

2017年7月28日金曜日

ふぁいやーわーく

じりじりと射してくる太陽とは
日焼け止めクリームで絶交した
「露出の多い水着が正義」って誰が決めたの?
私は断然ラッシュガード派

かき氷の量がもっと少なかったらな
いつも色水にせずにすむのにな

夏の上昇気流にのって
うき輪でぷかぷかと宙に浮かんだ彼は
「たーまやー」ときれいに咲いて灰になったんだ
立ちのぼった煙がつくったあの雲は
彼がすきだったわたがしにすこし似ていたんだ

そういえば彼はわたしがすきだったんだっけなぁ。
あんな彼なんかにすかれてもなぁ。

2017年7月16日日曜日

吐ききって

苦しみに耐えかねて歌に乗せて
吐いた言葉が詩(うた)になった
時には空想の世界に身を置いて現実から目を背けてみたり
「誰か聞いてくれ」と言わんばかりに欲望や苦痛を吐いてみたり
そうやって生み出してきた150近い作品達を見てまた至福のひと時
 
当時の僕を思い出しては
「確かに越えてきたんだ」という事実が
とてつもない自信になって今の僕の背中を強く押している
 
でも僕は吐ききってしまったよ 溢れる思いもストーリーも
苦しみの底からは抜け出せたよ これから夢に向かっていくんだよ
差し当たって作詞は邪魔をしてくるから暫しお別れをしよう
 
 
退屈に耐えかねて歌に乗せて
吐いた言葉が詩(うた)になった
時には「現実を見なさい」と空想の言葉で語ってみたり
「誰か助けてよ」と言わんばかりに自分を、この世を、呪ってみたり
そうやって生み出してきた150近い作品達を見てまた至福のひと時
 
当時の僕を支えてくれたのは
僕の周りの人すべてだったんだ
僕に出来る最大のお返しは夢を現実にしてやることだよね
 
もう僕は吐ききってしまったよ 溢れる思いもストーリーも
苦しみの底からは抜け出せたよ これから夢に向かっていくんだよ
差し当たって作詞は邪魔をしてくるから暫しお別れをしよう

like & hate

"君の好きなものは一体何?"
心の中では答えられただろう
"じゃあ喉に突っかかったのは一体何故?"
まさか「分からない」で逃げるつもりかい?

嫌いなことには大声で文句を垂れるくせして
自分の好きなことには素直になれないんだね
時とともに作り上げられた自分のイメージが
壊れてしまうのはそんなに怖いかい?

養生中だった「好き」の芝生は「嫌い」が踏み散らかしてしまった
言葉にした途端次から次へと溢れてしまったんだ
締め付けられたこの胸が悲鳴をあげているのに見ないふりなど
君は枯れ果ててしまいたいのかい?違うだろ?
なら素直に「好きだ」と叫んでみるんだ
「好き」の周波数のイコライザーは最大に
「嫌い」の周波数のイコライザーは最小にしてさ


"君の好きな人は一体誰?"
心の中では答えられただろう
"じゃあ喉に突っかかったのは一体何故?"
まさか適当に誤魔化してお終いにするのかい?

嫌いな人の愚痴はすらすらと口を出るくせして
好きな人への想いは喉元に溜まっちゃうんだね
言ったら離れてしまうと決まった訳じゃないのに
伝えてしまうのはそんなに怖いかい?

「好き」に費やすはずの貴重な時間がまた「嫌い」に奪われてしまう
感情は置き去りのまま会えなくなってしまいそうだ
締め付けられた胸が悲鳴をあげているのに見ないふりなど
君は枯れ果ててしまいたいのかい?違うだろ?
なら素直に「好きだ」と叫んでみるんだ
「好き」の周波数のイコライザーは最大に
「嫌い」の周波数のイコライザーは最小にしてさ

負け犬だって

紙の上に嫌いなあいつの名前を書いて
ぐちゃぐちゃにしてゴミ箱に放り投げたんだ
しきりに乱される心の痛みなど顧みられるはずもなく
足掻いても変えられない悔しさなど顧みられるはずもなく


「僕なんか初めっから負け犬だ」って
そう唱えて飲み込むほかなかった
溜め込みすぎた毒はもう体を蝕みはじめていた


あんなやつ無視してりゃ良いんだって分かってる、分かってはいるけど
蚊のように羽音を響かせて周りを飛び回ってくるから
放置してたら食われまくってしまうから
揶揄われると分かりつつも歯向かってしまうんだ




紙の上に大好きなあの人の名前を書いて
ぐちゃぐちゃにしてゴミ箱に放り投げたんだ
どうしたって報われぬ苦しみなど顧みられるはずもなく
迷惑をかけまいとする努力など顧みられるはずもなく


「負け犬だって」「負け犬だって」「負け犬だって」
そう唱えて自分を鼓舞するほかなかった
言い訳ばかりしていても意味ないんだって気づいた


現実から目を背けちゃいけないだなんて分かってる、分かってはいるけど
蚊のように羽音を響かせて周りを飛び回ってくるけど
放置してたら食われまくってしまうけど
正統じゃないと分かりつつも歯向かっていこうと思う

lost

僕には見えなかった 君の生きる世界は
だから何も出来なかった というのは言い訳かな
君はあくまで他人だけれど 僕が「僅かな"心を開ける人"」だったなら
それなりに出来ることがあったんじゃないかと 頭を抱えるんだ

こうなると分かっていたなら...

いや、こうなることも薄々予期はしていたけれど...


認めたくなかった自分がいた


先にも述べた通り僕には君の世界は見えないけれど
きっと君は泣きに泣き尽くしたんだろうね
だから今こうしてさらっと語っているんだろうね
それくらいは僕にも見えるんだ

あゝ





あの日の君の言葉は君が居なくなってから分かったんだ
ここまで来なきゃ分かれなかった、別れなければ分かれなかった、その事実が
ただひたすらに残酷に僕に向かって刃を突きつけている
恨むまでは行かずとも最後に君は吐いただろうか 僕らを含めたすべての現実への嘆きを

棺の中で

火葬炉の中で

2017年7月14日金曜日

≒0

「ぼくなんか人生負け組で、
生きる価値などないから死にたいな」なんて
軽々しく発していた自分がいた
せっかく人生負け組になれた癖に
本当に大切なことに全くもって気付ぬままに
死にたいとほざく自分がいた

この世界には何人の人が暮らしている?
そのなかで君は今まで何人の人と出会ってきた?
何人の人を想うことが出来た?
何人の人と口付けを交わせた?

限りなくゼロに近いその確率の中から
出会ったのがパパとママなんだね
限りなくゼロに近いその確率の中から
出会った精と卵がこの僕なんだね


「僕に生きる価値などないが、
死ぬのは出来ぬようだから生きなきゃな」なんて
軽々しく発していた自分がいた
せっかく生まれることが出来た癖に
本当に大切なことに全くもって気付ぬままに
死ねたらと願う自分がいた

この世界ではいくつの命が生まれている?
その中でいくつが人として産まれている?
何人の人が無事大人になることが出来る?
何人の人が恐怖に追われず暮らせている?

限りなくゼロに近いその確率の中から
救われ続けて生き延びたのがこの僕なんだね
限りなくゼロに近いその確率の中から
選ばれた精と卵がこの僕なんだね


だからこその覚悟を


出来る/出来ないじゃない
大事なのは挑み続けること
今のこの1秒だって、誰かが望んでも望んでも手に入れられなかった1秒
その重みを噛み締めて

さあ、ひとまず一歩一歩踏み出してみようか

2017年7月8日土曜日

ぼくとコーヒー。

「おおきくなったらだいとうりょうになりたいんだ」って言って飲んだコーヒーは不味かった
「大人になんかなりたくないんだ 辛いばかりだよ」って言って飲んだコーヒーは美味しかった


嫌いだったものを好きになるってこんな悲しいことだっけ?
吐く度に飲みたくなるんだ コーヒーを
ジュースみたいに甘ったるい世界で僕は暮らしていたかったよう
「青春は甘酸っぱい」だなんて嘘じゃないかよう


「おおきくなったらだいとうりょうになりたいんだ」って言って飲んだコーヒーは不味かった
「大人になんかなりたくないんだ 辛いばかりだよ」って言って飲んだコーヒーは美味しかった

2017年7月1日土曜日

想い

電車がやってくるのを見るたびに
思い描いてしまう悪い癖
今ここから飛び降りたなら
終えることができるんだと思うと
あまりの儚さに怖じ気づいて
また今日も死ねずに電車に乗り込む

そうなんです僕は
死ねないから生きてるだけであって
明日への希望も明日への欲望もありはしないのです
だからせめて僕に生きる意味を与えて欲しいと願うのです
たとえば、"君"とか…?


車が視界横切ってくのを見るたびに
思い描いてしまう悪い癖
今ここで道に飛び出したなら
すべて水泡に帰すんだと思うと
"君との日々までもか…"と躊躇って
また今日も死ねずに青信号をわたる

そうなんです君は
僕をこの世に繋ぎとめる錨であって
君なしでは明日を生きてゆくこともできないのです
だから君はいつも僕の傍にいて救ってくれたらと願うのです
お願い、気付いて…


でも井戸育ちの僕にはこの感情など未知数で
取り扱い方も伝え方も分からないのです
だから心の柵も見ないふりでひたすら君に同調しているのです
とりあえず不器用な言葉でしたためてみた恋文は
劣等感に満ちていて、ただ好きだという事実を伝えるだけのものだった

君に気がないことを確かめたかったんだ
「これからもこれまで通りに接して」と添えて






丁重にお断りされた その言葉すら
言葉選びからして好みだったんだ
行き場を失った気持ちは困り果てて
これまで通りに接することが出来なくなったのは
依頼した立場のはずの僕の方だった


君がやってくるのを見るたびに
想い描いてしまう悪い癖
今ここから飛び降りたなら
君は僕を想ってくれるだろうと思うが
あまりの馬鹿馬鹿しさに呆れ果てて
また今日も死ねずに教室の隅 独りの昼食









傷は時間が癒してくれた
僕の心にもある程度諦めがついた
あの日かけてしまった迷惑の分の、若しくはそれ以上の恩返しをしよう
僕の独占欲は排除してただ純粋に君の幸せを祈ろう


君との日々はまた今日も続いてくんだ




太陽が登ってくるのを見るたびに
思い描いてしまう悪い癖
今ここから手を伸ばしたなら
掴むことができるんじゃないかと思うと
じゃあ少しばかり頑張ってみようかと
まだ今日は死ねまいと明日へ歩いていく