2016年8月22日月曜日

ぬいぐるみ

まるでぬいぐるみ屋のよう
どれもこれも可愛すぎて
一つだけ選ぶなんて無理
それでもおこづかいで手が届く範囲に絞って
そっからひとつに決めて「それが欲しいんだ」と自分に言い聞かせるんだ

必死におこづかいを貯めて
時には売り切れたりしないかなと心配になって
時には割引とかになればいいのになって思って

とにかく君が欲しいんだ
とにかく君が欲しいんだ
とにかく今はそれだけなんだ
でも男子ひとりでぬいぐるみ屋など絶対入れる気がしない
君が欲しいのにかわりはないけど


ぬいぐるみ屋は遠くへ移転しちゃうよう
買わなきゃ あのぬいぐるみ
だけど僕ってほんと不甲斐ないな
いつまでもガラス越しに眺めてたんだ
通りすがりの人たちは不思議そうな目で見つめていたっけねえ

閉店当日やっとこさ勇気が湧いて
学校帰り駆け抜けた通りには雨が降ってた
びしょびしょになって制服から嫌な匂い
シャッターが降りていた

ともかく君が好きなんだ
ともかく君が好きなんだ
ともかく今はそれだけなんだ
だから写真を愛でるけど許してね
嘆いたってもう仕方ないものね
いつの間にか無主語の文になってた

0 件のコメント:

コメントを投稿