初めは見下していた僕も
数十年経つうちに宙を仰ぐようになってたよ
幹をポンと叩いても動じないお前って奴は
日は暮れて子供たちは帰ってゆく
晩ごはんのおかずを予想して
お母さんと手を繋いで
日は落ちて虫けらは群がってゆく
吸い寄せられるように街灯へ
視界は静止画になる
君が僕らのことを内心羨んでいたこと
僕は知っているよ
君が必死で孤独と戦っていたこと
僕は知っているよ
でもあの頃の僕には分からなくて
「なんて馬鹿な選択なんだ
雨の日も、風の日も、雪にも夏の暑さにも
独り堪え抜かなきゃならないなんて」
「なんて馬鹿な選択なんだ
雨の日も、風の日も、雪でも暑い夏の日にも
どれだけ辛くたって死ねないなんて
その筈が蓋を開けてみたら
君の方が立派な大人になっていた
ちゃんと地に根を下ろした君は強くて
ふらついている僕なんか弱っちかったんだ
だから今僕は素直に君を見上げているんだ
でも1つ言わせてほしい
いくら蹴られても、何を言われても、
どうして何も怒らないの?
怒ってくれれば僕の誤解も解けたかもしれないのに
どんなに辛くても、どんなに痛みを感じても、
どうして助けを呼ばないの?
呼んでくれれば君は伐られずに済んだかもしれないのに
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