2017年2月24日金曜日

狂欲

欲望ってやつは天球上の飛行機より俊敏で
ただ、確実にこの頭上に見えてはいるんだ
圧に耐えきれず剥がれた角膜から血が滴る
それを僕は"涙"と呼んでも良いのだろうか。


その目は見続けていた まっ平らな中に埋め込まれた無数の光の点を
星にはなれないと知りながら
閃きの白熱電球はとっくにフィラメントが切れていた

次第に目が悪くなった
遠近感を失った
現実と空想の境界線?
保護フィルムなら気泡が溜まって不便だから外しちまったよ


欲望ってやつを3回唱えると手に入るらしい
あの流れ星が流れている間に
圧に耐えきれず剥き出した声帯から息が漏れる
それを僕は"嗚咽"と呼んでも良いのだろうか。


その喉は叫び続けていた まっ平らな中に埋め込まれた無数の光の点に
星にはなれないと知りながら
反応の遅い蛍光灯はもうとっくに反応もしなくなっていた

次第に声が嗄れてきた
届かないことを嘆いていた
現実と空想の境界線?
防音壁なら声が聞こえなくて不便だから壊しちまったよ

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