2017年10月21日土曜日

15夜 〜15歳として〜


「雨が降ったのは僕の所為」

もう晴れたはずの空は既に暗かった

その足は赤信号の通りへ、ゆっくりとゆっくりと進んでいた



俯いていたからこそ視界に入った

水溜まりに映った月(きみ)にふと目を奪われてしまった

暗闇は切り裂かれてえくぼを隠した笑みが覗いた

顔を上げて手を伸ばした、天高く馬肥ゆる秋



降り注いだ君の言葉

ひとつひとつが胸に刺さって

膿んだ心生んだこの世界に

一緒に中指立てたね







「帰れなくなったのは君の所為」

ここが新たな"家"になってしまった

その心はもうとっくに通いあっていると思われていた



上がるようになった首を持ち上げ

一目見た月(きみ)は他の何よりも好みだったんだ

勇気絞り懐中電灯を天高く掲げた

「ーーー・ー」「ー・ー・・」



舞い降りた君の言葉

ひとつひとつが胸に刺さって

膿んだ心生んだあの日の自分に

独り舌を打ったね




今も空模様は曇ったり晴れたり

今でも月(きみ)は姿を見せてくれて

ああ、このまま

いつまでも...

なんてね。

0 件のコメント:

コメントを投稿