2017年10月21日土曜日

スイカ



暑い夏下がり ただ生きるだけでも辛くって
三者面談帰り 蝉の無神経な声が煩くて

何の為に生まれ何の為に生きるのか
自分の気持ちに素直になれるなら「種の為」と答えるだろう
このたくさんの才能の種を芽吹かせ花開かせてやるのが僕の夢さ

でも求められたのはいつも果実ばかりで
種はまるでゴミかのように吐き捨てられ
「種を芽吹かせるには果実も必要だ」と言い聞かせたが
そろそろそれも限界なんです

果実の方が甘い汁を垂らしている
そんなこと分かってる、分かってはいるけど
それに誘われるような子供じゃないから。
振り返る頃には皮の苦味に苛まされる気がするから。
どうか。この種だけは諦めたくはないんだ。



今夜は熱帯夜 ただ夢を見るだけでも辛い様
もうどうでもいいや 全部投げ出してしまいたくなるよう

何度雨に打たれ何度ため息ついた? 
自分の気持ちに素直になれるなら「諦めたい」と答えるだろう
でも堪え抜くと誓ったのは他でもない自分だから、それくらいは。

ああ あの時従っておけば良かったな
熟れることもなく不味いスイカなど見向きもされずに
種だとかそれどころの話ではなくなってしまって
正直もう限界なんです

果実の方が甘い汁を垂らしている
そんなこと分かってた、分かってはいたけど
「子供じゃない」と虚勢を張ってしまった。
皮なんかよりもずっと苦い現実と直面せざるを得なくて
「そうか。」やっと周囲の忠告の意味が分かったよ。



もう手遅れだよ

でも悔いはないよ

土にでも還って養分になってやるよ


ただ、一つ。
支えて下さった皆さん、ごめんなさい。

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