2017年10月21日土曜日

消失

これっぽっちだったんだね。
あれだけ好きだと叫んだくせに。
ただのワガママにしか見えなくなってきた。
「何でも受け入れて救う」はずだったのに。


君の声を聞いて、時間は経って、
現実を直視して、僕は変わってしまった。
抑えつけて曲げていた下敷きはもう元に戻ってしまった。


光見せてくれたあの日の借りを返したいから、と
伸べた言葉も無責任でさ
邪魔ならいつでも離れたらいいのに
そうしないのは僕の恋心も揺さぶった君の優しさかな

じゃあ、君は苦しいのかな?


なあ、離れようか?
君を傷つけたくない僕は不安で胸が痛むんだ
こんな日々などもう、サヨナラしたいんだ
ああ、離れたくないな
せっかく積み上げたすべてが白紙に戻るようで
君にはまだ、サヨナラしたくはないんだ




「それでも」が付き纏うのね。
どれだけ辛くてもやってこれたのは
他でもない君のお陰だったからね。
だけどもう此処には「情」はない。


君の声を聞いて、時間は経って、
現実を直視して、僕は変わってしまった。
君の座席のリクライニングはもう元に戻してしまった。


闇を見せてくれたあの日の仲に戻りたいから、と
打った言葉も無感情でさ
君の好きにはさせてあげられない僕はワガママで
君にはきっと気を遣わせてしまってるんだろうな

「まあ、僕はもう君に恋はしてないんだ。」


なあ、教えてくれないか?
あの日の君以外の「恋」も「愛」も分からなくなったんだ
こんな日々などもう、サヨナラしたいんだ
なあ、教えてくれないか?
あの日どうすれば僕は君を手に入れられたのか
将来タイムマシンでも作って過去の自分に教えてやりたいのさ、





「思い出」になったあの感情を手のひらに
「傍観者」になった今の僕も握り潰せずに
転がしては見惚れる藍い水晶玉
今夜遂に、落として割ってしまいました。

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