2019年10月5日土曜日

生活 (アーカイブ)

揺らぐ価値観の中で
完璧に酔ってしまったようだ
信ずるべき哲学もなくて
レールのない「自由」の上で

突っ立っていても未だ
轢くべき電車も現れず
痛い目も見ぬままにのらり、
くらり、と生き永らえている


絡まる先の知らぬ白い吐息がさ
消えたら少しは空気が吸えるだろうに

刃先を向けられないんだな


ああ "窮屈な時代"に保護されて
チューインガムをこねくり回して
味わったこのモラトリアムの甘さにはもう厭きて

黄ばんだ涎(よだれ)掛けはべちょべちょで
そんな醜態を晒して
味わった屈辱を
想いは晴らしやしない




揺らぐ生活の中で
完璧に狂ってしまったようだ
頼りにできる言葉もなくて
自分も頼りになりやしなくて

突っ立ってたら未だ
行くべき方向も分からず
痛い視線を浴びながらも
それで希望を洗い流してる


壊れる先の知らぬ青い命がさ
消えたら少しはみんな気付くのだろうか

ポケットに突っ込まれた手に


ああ 画面の住人に憧れて
少しも期待のできない世界で
ぶつけられた数々で歪んだ網膜には映らない

たくさんの人の「親切」に
気付いてしまってまた蝕まれて
続けられた生活も
もうそろそろ出口へと向かう頃

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